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[BL/SM] 「正義漢体育学生の堕落調教」 1

kuno-bl-library 2025. 5. 2. 20:48

180を超える長身に、厚い骨格と日々の鍛錬で作り上げられた威圧感溢れる筋肉質な肉体。濃い眉毛に鋭い眼光、高く通った鼻と力強い顎が調和した男らしい端正な顔立ち。体育学部の大学生、佐藤大輝(さとう だいき)は、生まれながらのアルファメイルとして常に捕食者の位置に君臨してきた男だった。
 
大輝の肉体は完璧に近い美しさを誇っていた。太い腕や腿は普通の女の子のウエストほどもあるのに、身長が高くバランスが抜群で、手足がスラリと伸びているため、決して鈍重な印象はなかった。体が良く、顔も整っていて、幼い頃から絡んでくる奴らを片っ端から叩きのめしてきた自信満々の大輝は、まさに恐れるものがない男だった。しかし、そんな大輝にも欠点はあった。それは頑固で融通の利かない性格だ。
 
厳格な体育教師の父のもとで育った大輝は、幼少期から保守的で柔軟性に欠ける性格が染み付いていた。生まれ持ったフィジカルのおかげで、そんな性格を咎める者も周囲にはいなかった。その結果、大輝は父親以上に頑固で時代錯誤な傲慢さを持つ男へと成長してしまった。
 
路地裏で制服姿のままタバコを吸う学生を見つけると、決して見過ごせない性格の大輝。良く言えば正義感が強く、悪く言えばトラブルを起こすお節介な性分だ。しかし、圧倒的な肉体がそれを支えていたため、大輝がそんな生き方をしても誰も逆らえなかった。いわゆる不良グループでさえ、大輝が険しい顔で睨みつけ、「タバコを消せ」と威圧的に命令すれば、素直に火を消して尻尾を巻いて逃げ出すほどだった。
 
そんな大輝の性格は、大学に進学すると周囲を疲弊させる原因となった。父が体育畑の人間だった影響で、先輩後輩の礼儀はきっちり守る大輝だった。おかげで先輩の言うことには一応従っていたが、時が経ち大輝が最上級生になると、学部全体が大輝の顔色を窺う状況に陥った。大輝の言葉は学部内で法律も同然だった。もはや遠慮するものがない大輝は、若者らしからぬ頑固さを思う存分発揮し、周囲全員を疲れさせた。そしてその性格が、ついに問題を引き起こす。
 
世の中には、大輝のように拳ではなく別の方法で捕食者の人生を歩む者もいる。公益勤務を終えて大学に復学した中村悠斗(なかむら ゆうと)はその一人だった。悠斗の父は中堅企業を率いる社長で、祖父はなんとその企業の会長。つまり悠斗は、いわゆる財閥3世だった。しかし一つ問題があった。悠斗の母は後妻、いわゆる愛妾だったのだ。
 
庶子として生まれた悠斗は、物質的には恵まれた家庭環境にありながら、強い劣等感を抱えていた。しかし、企業社長である父は、母似の異母兄弟とは違い、自分にそっくりな悠斗を特に可愛がった。おかげで悠斗は権力こそ継げなかったものの、財産は受け継ぐことができた。そんな溺愛の中で育った悠斗は、周囲を見下し出自へのコンプレックスを隠すため、傲慢で高圧的な性格へと成長してしまった。
 
いつも金で囲った取り巻きを引き連れ、成人してもなお高校の不良のように学生たちに威張り散らす悠斗と、そんなチンピラ行為を決して許せない大輝が同じ学部に所属した以上、二人が衝突するのは時間の問題だった。問題は、悠斗が大輝を過小評価しすぎ、大輝が悠斗を過大評価しすぎたことだ。
 
「バキッ!」
 
「ぐっ…ぐぁあああ!!」
 
そもそも体育に興味すらないのに、大学のネームバリュー目当てで体育学部に入った悠斗だった。貧弱な悠斗の体は、大輝が軽く振り下ろした拳すら一撃も耐えられなかった。たった一発のパンチで、悠斗の腕の骨は見事に真っ二つに折れてしまった。
 
プライドが全ての悠斗にとって、自分の取り巻きの前で大輝に殴られ、腕を折られて泣き叫ぶ醜態を晒したことは耐えがたい屈辱だった。悠斗は大輝に深い恨みを抱いた。しかし、大輝は悠斗にとって恐怖の存在でもあった。拳は法より近くにあるものだ。目を閉じるたび、大輝の拳が脳裏に浮かんだ。それでも悠斗は復讐を諦めなかった。全てが思い通りにならないと気が済まない悠斗にとって、大輝を膝下に屈服させなければ我慢できなかった。
 
大輝の頑固さにうんざりし、彼を嫌う後輩は意外と多かった。しかも何かにつけて手を上げるため、学部生活で大輝に殴られていない学生は数えるほどしかいなかった。彼らは悠斗が差し出したわずかな金で、すぐに大輝を貶めることに同意した。もちろん、悠斗が計画しているのは彼らの想像を遥かに超えるものだったが。財閥3世が本気を出したことで、事態は瞬く間に進展した。
 
「大輝先輩!これ飲んでくださいよ」
 
「ん?なんだこれ?」
 
「俺の親父が漢方医やっててさ。冷やした五味子ジュースだよ。汗かいた時に飲むと良いって」
 
「おお、ありがとな。ハハ、美味しくいただくよ」
 
これまで大輝に自分から挑む者など一人もいなかった。だから大輝は他人を疑うことを知らなかった。後輩が差し出した赤い液体を、大輝は一気に飲み干した。甘酸っぱく、ほろ苦く、ほのかにしょっぱいような複雑な味わいの冷たい液体が喉を滑り落ち、汗で渇いた体が一気に楽になった気がした。
 
「おお、マジで効くかもな」
 
「ハハ、良かったっす」
 
ジュースを渡した後輩がニッコリ笑った。それが大輝のその日の最後の記憶だった。

 

 

 


 

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